ピアノを習っている長女が、ある日突然「YouTubeに弾いてみた動画をあげたい」と言い出しました。学校のお友達がやっているのを見て憧れたようで、目をキラキラさせながら「好きなアニメの曲を弾いて投稿したい」と言うのです。母としては応援したい気持ちがある一方で、頭に浮かんだのは「それ、著作権的に大丈夫なやつ?」という不安でした。
市販の曲を演奏して勝手にネットに公開するなんて、なんとなく怒られそうなイメージがあります。しかも子どもは無邪気に「収益化して稼ぎたい」なんてことまで言い出す始末。パート事務員として毎日パソコンとにらめっこしている身としては、ここは適当に流さず、ちゃんと調べてから答えを出したいと思い、パソコンに向かいました。
「弾いてみた動画って、勝手に投稿したら著作権違反になるんじゃないの…?」
そう思っていたわたしですが、調べてみると想像より複雑で、ちゃんと理由のある仕組みでした。
📌 結論:YouTubeへの「弾いてみた」投稿自体は基本的に問題なし。ただし収益は自分に入らないことが多いです
先に結論から言うと、YouTubeはJASRACやNexToneと契約を結んでいるため、自分で楽器を演奏して弾いてみた動画を投稿すること自体は、基本的に著作権違反にはなりません。 「著作権の申し立て」という通知が来ることがありますが、これは動画が削除されるという意味ではないケースがほとんどです。
ただし収益化については話が別で、曲によっては広告収入が自分ではなく著作権者側に入る設定になっていることがあり、「稼げる」と期待して始めるとがっかりすることが多いとわかりました。この記事では、実際に長女の動画をきっかけに調べた内容と、その後の顛末をまとめます。
📖 この記事でわかること
- ✅ YouTubeへの「弾いてみた」投稿がなぜ基本的に許されているのか
- ✅ 「著作権の申し立て」通知が来ても慌てなくていい理由
- ✅ 収益化しても、お小遣いにならないことがある理由
- ✅ 実際に子どもの動画を投稿してみて起きたこと
- ✅ これから始めるなら知っておきたいトラブル回避のコツ
「弾いてみた投稿したい」と長女が言い出した日

結論として、最初にわたしが感じた不安は「市販の曲を演奏してネットに公開すること」そのものへの誤解から来ていました。 音楽を使う=著作権侵害というイメージが強すぎて、演奏動画の投稿がどういう扱いになるのか、実はきちんと知らなかったのです。
長女に「ちょっと待って、ママが先に調べるから」と伝えたものの、内心は「ダメって言うことになったらどうしよう」と少し焦っていました。せっかくやる気になっている子どもの気持ちを、知識不足のまま「なんとなく怖いから禁止」で終わらせたくなかったからです。
調べ始めてまず驚いたのは、YouTubeでの音楽利用について、JASRACが公式サイトでかなり詳しく説明を出していたことでした。感覚で判断せず、まずは一次情報にあたることの大切さを、この時点で痛感しました。
YouTubeには「弾いてみた」を想定した仕組みがすでにある
結論として、YouTubeはJASRACやNexToneといった著作権管理団体と事前に契約を結んでおり、投稿者が個別に著作権料を支払わなくても、動画に音楽を使えるようになっています。 つまり「弾いてみた」のような演奏動画は、この仕組みの想定内にある投稿方法だということです。
もちろん何でも無条件にOKというわけではありません。市販のCDや配信音源をそのまま流す使い方や、他人が作ったカラオケ音源・伴奏音源を無断で使う場合は、また別の権利が絡んできて注意が必要だとわかりました。あくまで「自分が実際に楽器を演奏する」という前提があってこそ、この仕組みの範囲内におさまるということのようです。
長女の場合はピアノを生演奏して録画するだけなので、この点はクリアできそうだと分かり、少しほっとしました。ただ、収益化を目指す場合や編曲した楽譜を使う場合は事情が変わってくるという情報もあり、そのあたりは慎重に確認する必要がありそうでした。
「著作権の申し立て」が来ても慌てなくていい理由

結論として、動画に「著作権の申し立て」という表示が出ても、それは違法だと確定したわけでも、動画が消されるわけでもありません。 これはYouTubeが持つ「Content ID」というシステムが、動画に含まれる楽曲を自動で検知して、著作権者に通知しているだけの状態です。
実際に体験談を検索してみると、弾き語り動画に著作権の申し立てが来て、投稿者が異議申し立てをして取り下げてもらえたというケースも見つかりました。申し立てが来た=一発アウトではなく、内容を確認した上で対応する余地があるという点は、知らなかったので勉強になりました。
Content IDでは、著作権者が「削除」「追跡」「収益を分配」のいずれかを選べる仕組みになっているそうです。つまり多くのケースでは、動画自体は公開され続けたまま、広告収入の扱いだけが変わる、という結果に落ち着くことが多いようでした。
収益化されても、お小遣いにはならないかもしれない話
結論として、たとえ動画が収益化の対象になっても、その広告収入が丸ごと自分に入るとは限りません。 長女が「収益化して稼ぎたい」と言っていたので、ここは一番しっかり確認したいポイントでした。
調べてみると、Content IDで曲が検知された場合、著作権者との分配比率は曲によってさまざまで、投稿者と著作権者で50:50になることもあれば、0:100、つまり収益が全額著作権者側に入る設定になっていることもあるとわかりました。人気の曲を演奏すればするほど、権利者側の取り分の設定が厳しいケースもあるようです。
正直なところ、これを知ってわたしはむしろ安心しました。「うちの子の動画で誰かが大儲けする」わけでも「勝手に人の曲を使って荒稼ぎする」わけでもなく、あくまで仕組みの中で公平に扱われるものだとわかったからです。子どもには「動画をあげるのはOKだけど、稼ぐのが目的じゃなくて、上手に弾けたことをみんなに見てもらうのが目的だよ」と話しました。
実際に長女の動画を投稿してみて起きたこと

結局、長女が好きなアニメソングをピアノで演奏した動画を、限定公開でYouTubeにあげてみることにしました。全世界に向けて公開するのは子どもにはまだ早いと感じたので、まずは家族と親しい親戚だけが見られる設定にしたのです。
アップロードから数日後、動画の管理画面に「著作権に関する情報」という表示が出ているのに気づきました。最初は「やっぱり何かまずかった?」とドキッとしましたが、内容を確認すると、事前に調べていたとおり削除や公開停止の警告ではなく、楽曲が検知されたことを知らせる通知でした。
収益化については、そもそも我が家のチャンネルは登録者数もごくわずかで、収益化の条件自体を満たしていません。それでも「著作権的にアウトではない」という事実を確認できたことは、長女にとっても、そしてわたしにとっても大きな安心材料になりました。長女は「ママの声とか映らないように撮ってね」なんて注文までつけてきて、すっかりその気になっています。
撮影自体も、思っていたより一苦労でした。リビングのアップライトピアノの前にスマホを固定して、何度も撮り直しをする長女に付き合いながら、「そんなに完璧を目指さなくていいんだよ」と声をかける場面もありました。本人としては、間違えずに最後まで弾けた「一番いいテイク」を残したかったようで、そのこだわりに親としては少し驚かされました。結局、5回目くらいの挑戦でようやく本人が納得できる出来になり、達成感いっぱいの顔で「アップして!」とせがまれたのを覚えています。
トラブルを避けるためにやったこと・あえてやらなかったこと
今回の件で、我が家なりに決めたルールがいくつかあります。まず、伴奏だけを別のカラオケ音源や誰かの演奏音源から流用するのは絶対にやらないこと。長女には「自分の手で弾いた音だけを録音・録画する」と繰り返し伝えました。
もうひとつは、公開範囲を段階的に広げていくことです。いきなり全世界公開にせず、まずは限定公開で家族の反応を見る、次に慣れてきたら公開範囲を広げる、というふうに少しずつ慣れさせることにしました。子どものネット活動は、著作権だけでなく、顔や個人情報の扱いも含めて親がハンドルする必要があると感じたからです。
あえてやらなかったのは、著作権フリーの曲だけに絞ることです。長女がやりたいのはあくまで「好きな曲を弾く」ことなので、そこを無理に制限すると本人のモチベーションが下がってしまいます。ルールの範囲内で、本人の「弾きたい」という気持ちをできるだけ尊重する方向にしました。
あわせて、動画の説明欄には「演奏している楽曲の作曲者・作品名」を必ず書くようにもしました。これは義務ではないようですが、調べた記事の中に「誰の曲を演奏しているかを明記しておくと、権利関係がわかりやすくなり印象もいい」という趣旨の解説があり、なるほどと思ったからです。長女と一緒に作曲者の名前を調べる作業も、それはそれで良い勉強になりました。
これから弾いてみたを始めるなら知っておきたい3つのコツ

今回いろいろ調べて、これから弾いてみた動画を始める人に伝えたいポイントが3つあります。
- 必ず自分で演奏した音源・映像を使う 市販のCD音源やカラオケ音源をそのまま流用しないことが、トラブルを避ける一番の基本です
- 「著作権の申し立て」が来ても即パニックにならない まずは通知の内容をよく読み、削除や収益分配などどの対応なのかを確認してから動くと落ち着いて対処できます
- 収益化を目的にしすぎない 曲によっては収益が権利者側に入る設定になっていることも多いので、お金より「発表する楽しさ」を主目的にしたほうが、期待外れになりにくいです
子どものやりたい気持ちを尊重しつつ、親としてルールと仕組みをちゃんと理解しておくことが、結局は一番のトラブル予防になると実感しました。
よくある疑問
Q. 弾いてみた動画は著作権違反になりませんか?
自分で実際に演奏して録画する形であれば、YouTubeとJASRAC・NexToneの契約の範囲内で扱われるため、基本的には違反にはなりません。ただし市販音源をそのまま使う場合は別の問題になるので注意が必要です。
Q. 「著作権の申し立て」が来たら動画は消されますか?
多くの場合、申し立ては動画削除を意味するものではなく、収益の扱いなどが変わる通知であることが多いです。まずは通知内容を確認することが大切だと感じました。
Q. 弾いてみた動画で収益化はできますか?
収益化の条件を満たしていれば可能ですが、曲によっては広告収入が著作権者側に入る設定になっていることも多く、必ずしも投稿者の収入になるとは限りません。
Q. 子どもの弾いてみた動画、全世界公開しても大丈夫ですか?
著作権的な問題とは別に、顔や個人情報の扱いという観点も大事です。我が家はまず限定公開から始めて、少しずつ慣れさせるようにしました。
Q. クラシック曲なら著作権を気にしなくていいですか?
作曲家の没後一定期間が経過したパブリックドメインの曲であれば、著作権の心配はかなり少なくなります。楽譜の版権など別の権利が絡む場合もあるので、その点だけ確認しておくと安心です。
まとめ
改めて結論です。弾いてみた動画の投稿自体は基本的に問題なく、収益は自分に入らないこともあると理解した上で楽しむのがおすすめです。
- YouTubeはJASRAC・NexToneと契約済みで、演奏動画は想定内の使い方
- 「著作権の申し立て」は削除通知ではなく検知通知であることが多い
- 収益は著作権者側に入る設定のこともあり、稼げるとは限らない
- 市販音源の流用はNG。自分の演奏だけを使うのが安全
- 公開範囲は段階的に広げ、子どものネット活動は親がハンドルする
「弾いてみた投稿したい」という一言から始まった今回の調べ物でしたが、なんとなく怖いと思っていたことも、仕組みを理解すればちゃんと安心して挑戦させてあげられるとわかりました。長女は今、次に弾く曲を選ぶのに夢中になっています。
同じように子どもから「弾いてみた投稿したい」と言われて戸惑っている方の、参考になればうれしいです。

